放課後クライマックスガールズ Landing Point 感想

こんにちは、みなもです。

 

最近、思いつきで朝のジョギングをやったりやらなかったりしているのですが、深刻にキツいです。

 

今回は放クラのLanding Point編(以下LP)を読んだということで雑感やらを書き殴って行こうと思います。

 

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小宮果穂

ヒーローの保護者面談に行く話。

相変わらず本人ですら意識してないような軽微な変化を察知して先手で対応打ちにいくシャニPとかいうテレパシー超人が好きすぎる。25人プロデュースしてる最中に特定アイドルが振ってくる話題の濃度が変わったとか気づけるもんなんですかね。

 

さて、道中小テストの話がありましたが、果穂はだいぶ勉強できる方だと考えているという話をします。根拠としては、

  1. 両親がアイドル活動を許してくれている
  2. 周りに年上のお姉さんがいっぱいいて知識を得る機会に恵まれている
  3. 知らないことは調べる

 などが挙げられます。

1については僕の主観が大きいかもしれないんですが、あの良識ありそうな小宮家の御両親が小6の娘をアイドル事務所に投げ込むのって、勉強方面であまり心配してないというか、娘を相当信頼していないとできない決断だと思うんですよね。果穂が小テストで満点取ったりしてるのは結果論で、アイドル始めたことで学校関係でトラブる可能性は十分にあったというか。受けるかは不明ですけど一応中受の学年ですし。

2についてはそのままで、兄や姉がいる子は他の子より色んなことを先取りしやすいみたいな話です。数歳年上の語彙環境で会話するのって随分影響がありそうだと思いませんか?果穂が年の割に大人びている理由も(元から良い子というのもありますが)このあたりに起因しているのではないでしょうか。

3については習っていない漢字の言葉を「○○(ひらがな)」と読む例に心当たりがあるかと思います。[many screens]などでは諺の意味を調べるシーンもあったり。探求心豊かなのはきっと勉強にも活きていると思います。

あとどのコミュか覚えてないんですけど英単語の話をしていた記憶があって、今時の小学生って英語やんの!?と衝撃を受け果穂インテリ仮説方向にバイアス入ってるというのもあります。

 

次に、果穂の同級生と思しき友人が3人ほど名無しで登場しましたが、【日刊ウィズ・ユー!】やバレンタイン準備コミュに出てきた友人との対応関係については明言はされませんでした。ここで重要なのは、果穂にとって友達が大切な存在であるのは確かであるにも関わらず、彼女らの名前は明かされずあくまで『友達』という括りでしか語られないということです。果穂がヒーローの話を友達相手にできないという話*1が今回の主軸でしたが、ヒーローアイドルとして活躍すればするほど同世代の級友=無名のモブとの接点が話題的にも時間的にも薄れるという英雄の孤独が背景に描かれ始めています。ここから少し踏み込むと、放クラが絶対に果穂を孤独にしないということに潜在的な危機が眠っているという考えに至ります。常に暖かく受け入れてくれる特別な場所があるというのは、そこに依存して日常を軽視しても問題がないという錯覚を作り上げ兼ねません。まぁ放クラ陣営なら果穂が良くない空気になってもすぐに察して建設的提案で大解決一直線を手伝ってくれるだろうという安心感はある*2のですが、温かさが常に薬となるとは限らないみたいな話は少し見てみたい気がします。

 

 

園田智代子

ここまでで一番"Landing Point感"のある話。

智代子は自分の個性という現在地の模索をする【迷走チョコロード】に始まり、チョコアイドルとしての矜持を確立するGRADに至るまで、大きく進化し続けてきたアイドルの1人ですが、今回はさらにその先の未来を見据える話でした。

 

283プロには見ただけでダンスを完コピする中学生やモリモリとドラマ出演してる大学生のように、個性的な能力・長所を振りかざす連中が大勢いますが、智代子は『アイドル』がめちゃくちゃ得意なんですよね。これはセルフプロデュースが上手とも言い換えられ、同じタイプに冬優子がいます。彼女らは需要の理解度が高く偶像演出に精力的で、自己分析が的確なうえコミュニケーション能力もありフィードバックも密なためシャニPもこの2人相手のシナリオではめちゃくちゃやりやすそうにしている印象があります。当然アイドルとプロデューサーというのは非対称な関係なんですが、息の合いっぷりや気兼ねなさにおいては他の283アイドルたちと一線を画しており、ある種の対等性が見え隠れしています。*3

 

そんな智代子がLPで考えたのは自らの基盤となっている、あるいは基盤とすべきアイドル観の確認と成文化という高度な内容です。

仕事の幅を広げるとかパフォーマンスの追求とかそういう次元じゃないということに舌を巻きます。アイドル性が一つの武器である彼女だからこそ、こういうLPの模範解のような形になるのかなぁと思いました。

加えて、その過程であすみちゃんを救済する余裕まであって本当に最強アイドルかよと感服させられます。救済のくだりで着目すべきは智代子がしっかりと否定語を口にするというところでしょうか。普段、会話において自分が妥協することを厭わず相手に寄り添う形で円満解決を図ることが多い智代子ですが、違うと思ったところはなぁなぁにせずちゃんと違うと絶叫できるという芯の存在を再確認することができて良かったです。

 

個人的には【ちょこ色×きらきらロマン】のような対シャニP異常接近要素も欲しかったところですが、今回の趣旨には不要だったというまでの話。しかしながら、次のpSSRではLPで無敵ぶりすぎたことの反動としてシャニPに泣きつくようなよわよわな一面を描く話が来るのではないかと期待しております。

 

食べすぎ(それはそれで可愛い)なことくらいしか弱点が見当たらず、中々難しいかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

 

西条樹里

前を向き、前を向かせる話。

とうとう樹里のバスケ引退絡みのをやるかと思ったら級友がバスケ引退して転げました。

 

樹里はシャニPや放クラと出会ったことでバスケを離れ空っぽだったところにじわじわと自己肯定を手に入れてきたアイドルですが、それがこういう形でアイドルとしてファンへの還元にまで繋がるのはすごい成長しちまってると思います。

 

私見ですが、LPを以て樹里にとってのバスケはマクガフィンで十分だと思いました。何かそれなりに入れ込んでいたものを辞めたという結果と、その過去を背負いながら前を向けるようになったという現在があればよくて、もはや何故バスケを辞めたのかについては樹里個人を紐解く上では重要ではないと感じています。

注視すべきは過去ではなくEverydayであるというのが樹里LPの主張だという解釈が僕の得た結論ですが、樹里が辿り着いたこの一面も放クラの刹那主義を象っていることに気づくと思わず唸ってしまいます。

 

 

杜野凛世 

殻を破る話。

シャニPとの関係性について、明確に嫉妬や焦燥というワードが現れました。

名無しのパフォーマー相手に対抗心を燃やす闘気が印象的です。

 

 

 

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【われにかへれ】で凛世の距離の詰め方に対しキレ気味だったシャニPに対しこれはもうライン越えただろとヒヤヒヤしていましたが、意外にもシャニPはこの問答に付き合ってあげていました。GRADでのディスコミュニケーションを反省してるのかなぁと思います。凛世の方もシャニPに対する自分の感情を言葉に出しきれるようになっており成長目覚ましいですね。

 

謎の舞踏家による指導では従来の『アイドル優等生』の型からの脱却を図られながらも、その先に行き着く『舞台』はかつて難しいと感じていた母の言葉に通じるものがあると悟っていました。凛世母が登場した実家回想、姉さまの描写もモリモリで素晴らしいです。結局なぜ凛世があの時東京にいて、なぜあの母親がアイドル活動を許可したのかみたいな話はありませんでしたが、気長に待ってたらいずれそういう話もやるんじゃないでしょうか。

 

小ネタとしては、冒頭の小咄が斎藤茂吉の『紙幣鶴』からの引用であったり、舞踏家が絶叫する『マル』や『サンカク』が牛の部位の名前だったりというところがありました。

紙幣鶴については十分な説明が入っていた通り、アイドルや芸事における逆説的「飛躍」の隠喩。シャニマスは序盤に隠喩の種だけ提示しておいて後から回収するパターンが本当に多いです。舞踏家が牛を持ち出したのは、虎に対抗するためには鶴ではダメだという主張に加え、パフォーマー(虎)方面と合わせて鍛錬する方向は鬼門(丑寅)であり険しいよという含みもあるかなと思っています。

元から優等生と評され、LP開始時点でダンス講師からベタ褒めされるくらいのクオリティを出せる凛世がさらにパフォーマンスを磨くという熱血展開は意外性があり面白かったです。

 

しかし、凛世LPの一番デカいところはライブの幕間でした。

 

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放クラの面々をステージ上の強敵と表現するこの闘争心、デカすぎる。ここではもちろん純粋なパフォーマンスの絶対値の話をしているわけですが、モブパフォーマーとの文脈においては明確に『シャニPから見てどうか』という評価軸を置いていたことを鑑みると、今後はユニットメンバー相手にそういう意味でバトルモードに入る可能性もあるんじゃないかと2ミリくらい期待しています。

 

[轟!- とどろき- 紅蘭偉魔空球♰番外地]のようにドラマなりフィクションを利用した上でならそれっぽいこともやるかもしれませんが、一回で良いからガチ素面で喧嘩してほしいです。何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

有栖川夏葉

形而上の放課後を見つめる話。

 

有栖川兄が話すの初めて見たんですが、最後かなり具体的に放クラの放クラ性(広範な年齢層により圧縮される放課後と現在の刹那性)に言及してきたことの衝撃で全て吹き飛びました。

 

 

minamoscape.hatenablog.com

において、[ミッションコンプリート]が夏葉の引退式に見立てられるという話をしていましたが、今回まさに夏葉自身が自分の去り際のことを考えるという攻めの話題をねじ込んだことで、放クラが意気衝天の裏に秘めているもう一つの本質の存在をしっかりと提示したわけです。

 

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イベコミュへの仕込み十分といった様相を呈しています。

お天気お姉さんという、アイドルを辞めても続けていけそうな役も手にしている夏葉が今回みたいなことを口走っているとこを偶然果穂に聞かれるシーンで始まるオープニング、お待ちしております。

夏葉LPを放課後の永遠性を見つけたと解釈するのであればしばらくこの話題が出てこない可能性も大いにあるのですが、拝啓タイムカプセルを出している以上この問題は仮想的な永遠性で濁さず現実的に向き合うのが必然というか、少なくとも一度は全員で放課後の時間に対し解答を与える話はやらなくちゃいけないと思うんですよね。僕はそれが[The Houkago-Climax-Girls](仮題)になると妄信しています。

 

放課後の兄弟たち

さて、放クラの面々にはみんな兄弟姉妹がいるという共通点があります。LPにおいてもそれなりに登場していたのでここで軽くまとめておこうと思います。

 

果穂 : 兄

初出 : WING優勝後

LPにてシャニPが第二の兄と形容されていましたが、一向に第一の兄の姿が見当たりません。【雨のち、マイヒーロー】や【晴れ待ちのひと時】なんかでも小宮家内部の描写はありましたが、兄の姿は出てきません。

しかし【ナツイロ☆アフタースクール】において果穂は兄と喧嘩をすることがあるという情報があるので恐らく年はそこまで離れておらず、反抗期真っ盛りで家族の前にあまり顔を出さない状態にあるというのが事の真相だと思われます。ヒーローや特撮の趣味は兄譲りでしょうし年が近いのは納得できます。

 

智代子 : 弟

初出 : 【あそ→と♡ちよこれいと】

姉さんと呼べる間柄に園田智代子がいるこの弟のポジション、ガチで羨ましいです。

恐らく長いこと言及止まりだった存在なんですが、【プリティ・スイート】や【code:SH☆☆TING star!】で会話が解禁されました。姉弟の仲は良好、というか園田家全体で家族仲が良いことが様々なコミュから伺えます。

 

 

樹里 : 兄

初出 : 【ヒーローインザパーク】

むしろこのコミュでの言及以外に見たことがないので深刻な情報不足です。完全に憶測の話になりますが、樹里が表面上勝気な性格をしてるのは年の近い兄やその友達と一緒に外遊びをしていたことに由来していそうです。

 

凛世 : 姉

初出 : 【夜明けの晩に】

LP回想でしっかりめの会話が追加され、やはり優しい雰囲気の姉さまでした。

凛世が8歳の頃に結婚しているのでそれなりに年は離れているのは間違いありませんが一体どのあたりに嫁いだのかは不明です。東京からそれなりに遠いというくらいしか情報がないのですが、凛世の「遠くへ行ってしまう」という表現を文字通り受け取るのなら鳥取からも地理的に遠いことになります。個人的には【をとめ辞典】で西尾のお茶を送ってくれたのが姉さまだったのではないかと妄想しています。

 

 

夏葉 : 兄

初出 : ファン感謝祭

LPで会話が解禁。妹のアイドル活動に理解のありそうな兄で安心しました。

有栖川家がかなりの富裕層であることは周知の事実ですが、LPにおけるシャニPの「いつも応援してくれている」という言葉が283のスポンサーという意味に聞こえて一瞬ドキっとしてしまいました。流石にそんなわけない。

 

おわりに

LPの振り返りと言いながら割とそれ以外の話もしてしまいました。

まぁ、LPともなると放クラに限らず過去の共通コミュ(WING/感謝祭/GRAD)だけでなく各アイドルのカードコミュからネタを引き継いでくるという例が多いので色々と引用が入るのは致し方ないものと思います。推奨参考文献に限定カードがそれなりに入ってるのヤバいなと思いますが、運営からすればLPまで読みにくるオタクは限定もそこそこ持ってるだろという篩の形をした期待があるんでしょうね。ストーリーに厚みができるので僕はこのスタイルが好きです。

 

とりあえず今回はここまでとなります。長々となりましたが読んでくださった方ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

*1:【ヒーローインザパーク】や【エクストリーム・ブレイク!】など複数の場面に伏線が存在しています。

*2:既に[many screens]などの実績もあります。

*3:例えば智代子は【錯覚・Darling】において「まさに・friend」というサブタイを得るほどで、【ちょこ色×きらきらロマン】においてはシャニPの弱気な場面を観測しているほぼ唯一のアイドルであったりしますし、冬優子については[The Straylight]を読めば言いたいことが伝わると思います。